こんにちは、マミーネです。自宅にいることが増えたし、読書はもっともっとしたいと思うので、GWにがっつりと読書をしました。
読んだのは、ビー・ウィルソン著「「食べる」が変わる 「食べる」を変える」です。
かなりガッツリと書かれた内容と参考文献数なので、それなりに時間がかかるだろうと思い、GWに読めたのは幸いでした。
内容は、訳者である堤理華さんがあとがきで分かり易くまとめてくれています。
「訳者あとがき」を読んでから本文を読み進めた方がいいかもしれないと思いました。
本当の健康って何?「『食べる』が変わる 『食べる』を変える」 健康オタクの書評
健康オタクっていう視点で、気になったところをつピックアップして書こうかと思います。
ちなみに、著者のビー・ウィルソンさんは途中で気づきましたが働く主婦です。子育てや仕事をしながらの家事(特に料理)の大変さを分かっているのは共感度アップです。あと、文中で「主婦」と使わず家庭内で料理する人のことを「素人のシェフ」や「パートタイムの料理人」といった表現の代名詞を使っているのが「主婦=料理をする人」としていないので印象的でした。
「簡単レシピ」は簡単じゃない
以前、近所のスーパーで「3ステップの簡単レシピ」が掲載されたチラシをもらうことがよくありました。「簡単」だけどおいしくできる魔法のレシピをいつも探している私にとって、すごく魅力的。
でも、よく読んでみると無理やり3ステップに入れ込んだだけじゃない?と思うものもあったりします。
わたしは一日中働き、子供たちの送り迎えをすませたあと、週末の新聞に綴じこまれた料理特集の「すばやく簡単にできる」レシピを見て、その大胆さに笑ってしまうことがある。 ~(中略)~ 夜になると、わたしは作りたい夕食を作るための時間もなければ考える気力もないと感じるのがしょっちゅうだ。(p.153-154)
私が日ごろ感じていることが、見事に表現されていました。「10分でできるお弁当レシピ」のような本を持っていたこともあったけど、絶対に自分には10分でできたことはない(その3倍はかかる)し、レシピに書いてあっても出来ないと自己嫌悪に陥ることもしばしば…でも、それはそもそもそのレシピ本を書いている人と読者である私の料理スキルも作業ペースも違うのだから、当たり前なんですよね。
「簡単おいしい」レシピ本はすごく魅力的だけど、一番簡単な料理はサラダや蒸し野菜とかレシピを見なくても出来る料理だと思うようになりました。
食と環境問題
子供のころから、「日本は食料自給率が低い」と社会の授業で習ってきたのをおぼえていますか。
調べてみたところ、令和元年度の食料自給率はカロリーベースで38%、生産額ベースだと66%だそう。カロリーベースではお米はほぼ100%や野菜も76%ほどは自国生産なのですが、際立っているのは油脂3%。「油は一番カロリー高いんだから、そこを外国産に頼っていたら、カロリーベースでもパーセンテージは下がりやすいよね?」と改めて思いました。 (日本の食料自給率:農林水産省より)
かくいう私も、オリーブオイルはスペイン産とかを使用しています。近年は、温暖な気候の小豆島でもオリーブオイルの栽培を行っているし、そもそも日本人は日本食で油をどうやって摂取していたのだろうか…?たぶん、木の実などなのかもしれないが、ここらへんはこれからも勉強していきたいところです。
で、話を書籍に戻しますね。
「キヌア」ってよく聞くようになりましたね。私は、雑穀米を購入する時とかにブレンドされていたりしたので知っていますし、プチプチした食感でおいしいと言われています。単品で食したことはないと思いますが…
キヌアは、ボリビアやペルーなどアンデス地方で生産されて食されていたそう。ですが、「スーパーフード」「グルテンフリー」などのトレンドによって、生産量は増加したにも関わらず、大半は輸出用で自国民や生産者は価格が高騰したことによって食べる機会がほとんどない状況。
そのかわりに食べているのが、低価格の超加工食品(書籍では、身体によくないとされるジャンクフード類をさしている)。これによって、これらに地域では栄養不足が起きる可能性が危惧されているそうなのです。
同じように、アボカドについても同様に指摘が書かれていましたが、それだけじゃないですよね。
カカオやコーヒーだって、現地で低賃金で働く人たちがいること、子供たちに労働をさせていることが問題になっていることもあります。
輸入に頼っている裏側で、健康志向で十分な食材が手に入っている人たちがいる一方で、栄養ある地元の食品を食べることができず、低栄養の食品でおなかを満たしている人がいるのを、もっと私たちは知らないといけないと感じます。
私も、KALDIとかで健康食材を見つけて買うのは楽しみだったりするので、反省せねばなりません。
あと、だから「買わない」という選択もありますが、「フェアトレード」という選択もあります。低賃金で搾取するような働き方をさせずに相当の対価を払う。その分、価格は高くなりますが、人の健康を奪って自分の健康をよくするのも間違っている気がします。
もちろん、こうしてキヌアなどの生産量を何倍もあげると、それは無理な栽培をしなければならず、森林を切り開いたり、休むことなく畑を使うので畑は疲労します。
学生の頃から、こうした環境問題に関心を持っていたので、「自分に何ができるか」はいつも考えてしまいます。
ミニマリストになったのも、こうゆうのが関係しているとは思っているのですが…(とはいえ、モノと違って食品は食べればなくなるので、それもまた難しいんですね。)
プロテインバーって
しばらく食べ続けていたプロテインバー、私の運動量だと筋肉が付くわけでもないし変化もないかな~とやめることにしました。
コストもかかりますしね…なんだかんだで習慣にもなっていたのですが、「もっと野菜を食べよう!!」と思っているところです。
できれば玄米を食べたいのですが、我が家のお米は農家さんからの直買い品のためもみ殻が多いんです。それを取り除くのが大変で食べれていない…
結局ね、プロテインバーと言っても糖質と添加物が多いんです。代替食品ではあるものの、これを食べずに果物やチーズを食べたり、それこそ「クリスプブレッド」のような食品の方がいいのではないかと思ったりします。
おやつを食べなきゃいいのだろうけど、夕方は何も食べていない状態だと低血糖で動けなくなってしまうこともあって、それが怖くて食べてしまうというのもあったりします。
気になっていた「完全栄養代替飲料」も、この書籍を読んでいたらつまらないものに感じてきて、食べる(飲む?)候補として外すことにしました。
さいご
ジャーナリストであるビー・ウィルソンさんが様々な国の方や研究者にインタビューしたり、論文を使って、世界の「食」に関する現状を伝えてくれる書籍でした。
自分の事しか考えない「健康本」とは一線を画する内容でした。
日本は肥満や糖尿病率は他の先進国と比べて低いとされていますが、カロリーばかりの低栄養食品がスーパーマーケットに半分くらいあるんじゃないかと思います。
チリが砂糖税を導入して国民の生活をより良いものにしようとしているように、日本も予防医療・医療費削減の効果も含めてもっと健康的な生活が送れる支援をした方がいいのではないかなと思う今日この頃。